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生まれいずる子どもたち

先日、電車内にいる時だった。

色の白い女性が、おなかを前に突き出すようにして乗ってきた。

私の横に座っていた女子高生がすかさず席をゆずった。

カラシ色のスカートの端が少し私の膝にかかり、彼女は小さな声で「すみません」と言った。ひとみのきれいな人だった。

 私は遠慮がちにその腹部に目が流れたが、すぐにそらした。(なんといったって、自称紳士だもの)

しかし、頭の中では人の生の不思議を想った。

 やがて胎児は、泣きながら生まれてくるのだろうが、それは胎児の意思でこの世に来たのだろうか・・・・イヤ、違う。

生まれるということは受身なんだ。

I was born. と言うではないか。(受動態)

彼(彼女)は、生まれさせられたんだ。

良く言えば、「命をあたえてくれた」ということにもなるが。

しばらくは両親の愛にはぐくまれて育つだろうが、いずれ自分の力で生きていかねばならない。

この荒涼とした人間の社会を・・・・幸運を祈る。